新規登録
ビジネスガイド募集中
人気ページランキング
  • 今週
  • 今月
  • 殿堂
  • SCS Global コラムVol.1

  • ベネフィット・ワン コラム vol.33

  • これまでの手法にとらわれない、新しい消費者調査をご提案します。

  • 池田博明コラム マイツプラスワン vol.31

  • “One Team, No Border” 日本と中国を繋ぐConsulting業務を誠実さをもって全力で提供しております

  • SCS Global コラムVol.1

  • 池田博明コラム マイツプラスワン vol.31

  • これまでの手法にとらわれない、新しい消費者調査をご提案します。

  • ベネフィット・ワン コラム vol.33

  • ビジネスシーンで活用する中国語講座vol4

  • “One Team, No Border” 会計税務を中心に企業のグローバル化を全力で支援しております。

  • ビジネスシーンで活用する中国語講座 vol.8

  • 微博・微信を中心とする中国ソーシャルソリューションサービスをワンストップで提供しています。

  • 中国事業で法務の重要性は高まる一方です。困難な事業環境を乗切る真の価値ある助言を目指します

  • 会計税務顧問、連結決算、財務DD、移転価格税制など日中の会計税務に関するサービスを提供

日経新聞
DMMコラム
蘇州たより
上海の街角で
JETRO
上海日本商工クラブ
在上海日本国総領事館
ラクト
上海人
香港リーダーズ
C.L.Mリーダーズ
経営者.マガジン読者の集い
2015稲盛和夫経営哲学上海報告会
中国ニュース

法律事務所のガイド

2015.01.13
  • 川合正倫(日本国弁護士)中国における法務事情 第二話
  • 中国からの撤退手段について最低限知っておくべきこと
  • 近時の急激な円安と人件費の上昇を背景に、製造業を中心に会社機能の一部を日本に回帰させる動きが加速しています。報道によると、必ずしも製造拠点の閉鎖を伴うものばかりではないようですが、本稿では、中国からの撤退手段について概要をご紹介したいと思います。

ビジネスガイド 川合 正倫

近時の急激な円安と人件費の上昇を背景に、製造業を中心に会社機能の一部を日本に回帰させる動きが加速しています。報道によると、必ずしも製造拠点の閉鎖を伴うものばかりではないようですが、本稿では、中国からの撤退手段について概要をご紹介したいと思います。

 

外商投資企業そのものを撤退させる主な方法としては、持分譲渡、解散清算、破産があります。それでは、企業が撤退することになった場合には、いずれの方法が現実的な選択肢となるでしょうか。

 

【撤退の手段】


持分譲渡、解散清算、破産が外商投資企業の主な手段

 

まず、破産ですが、中国の破産法において支払不能かつ債務超過であること等が手続き開始の要件とされています。しかしながら、実務上は、外商投資企業について破産手続の利用のハードルが高く、一部の例外的なケースを除き現実的な選択肢となりにくいのが現状です。

 

【破産手続きのポイント】


外商投資企業について破産は現実的な選択肢となりにくい

 

そのため、これらの要件を満たしている外商投資企業である場合も、増資や借入等を行ったうえで解散清算を行うか、ごくわずかな対価で持分譲渡を行う等の別の撤退方法を採用するケースが多いです。

 

次に、解散清算手続きについて説明します。解散清算するためには、商務部門において認可を取得した上で、資産負債及び従業員の整理等を行い、税務登記等各種の登記抹消を経て工商登記を抹消することになります。詳細な手続きについては、各種の専門家に任せるとして、中国事業に関与する皆様が最低限理解しておくべきポイントをご説明します。

 

解散清算手続の最大の特徴は、法人を消滅させる点にあります。このため、従業員を整理して、資産負債を整理する必要が生じます。これまで労使関係に大きな問題がなく経営をしてきた企業であっても、職を失うことになる従業員との間で労使の利害関係が激しく衝突することになり、従業員の整理が大きな問題となる例は珍しくありません。また、政府機関との関係では、税収源を失うことになる税務当局から過去の納税状況について詳細な調査を受け、追徴納税をしない限り政務登記の抹消に応じてもらえないというケースが頻発しています。このため、清算完了まで1年以上の期間を要するケースも珍しくありません。

 

上記のような特徴を持つ手続きですので、逆に考えると、従業員の数が少なく一定の経済補償金を負担することによって問題の発生を抑制することが期待できる場合や設立から間もない企業であるなど税務リスクが小さい会社については、解散清算のデメリットは比較的小さく、現実的な選択肢となり得るといえます。

 

【解散清算手続きのポイント】


従業員の整理と税務登記の抹消が問題となることが多く、持分譲渡と比較して多大な労力と時間を要することが多い

 

最後に持分譲渡手続についてご紹介します。外商投資企業の持分譲渡を行うにあたっては、商務部門において認可を取得した上で工商登記を行う必要がありますが、これらの手続が問題となるケースは稀です。持分譲渡の場合、法人はそのまま存続し、そのオーナーに変更があるのみですので、基本的には、解散清算のデメリットである従業員の整理や税務登記の抹消といった問題が発生しません。そのため、譲渡の相手が見つかり譲渡価格等の条件について合意さえできれば、実現可能性が非常に高い手段といえます。この点、持分の100%を保有する親会社が持分を譲渡する場合には、自由に譲渡相手及び譲渡の条件を決定することができますが、中外合弁企業の場合には、他の合弁当事者に持分の優先買取権があり、基本的には第三者へ譲渡することについて合弁パートナーの同意が必要となる点に注意が必要です。合弁会社設立の段階で、合弁契約に外商投資企業がスムーズに撤退できる旨の規定を入れ込むことが肝要といえます。

 

持分譲渡は、解散清算手続きに内在する不確定要素を排除でき、時間的にも短期間で完了することが多いため、一般的には持分譲渡の方法が最も簡便な撤退手段といえます。このため、実務においては、譲渡の条件は大幅に譲歩したうえで、第三者又は合弁パートナーに持分を譲渡するという方法が採用されるケースも少なくありません。

 

【持分譲渡のポイント】


解散清算と比較して手続的負担が少なく短期間で実現可能。中外合弁企業の場合には合弁パートナーに優先買取権があり、譲渡することについて同意取得が必要

 

以上、外商投資企業の撤退手段について概要をご説明しました。いかなる撤退手段が最適かは各企業の状況によって異なります。将来的に撤退することが予想される場合には、上記各制度の特徴を理解したうえで持分譲渡の候補先を検討する、解散清算を行うのであれば資金繰りの手当て、従業員告知のタイミング、税務リスクの洗出し等の事前準備を十分に行うことがスムーズな撤退にとって重要な方策といえます。

 

*本投稿は読者の皆様の参考に供するために一般的な情報を簡潔に提供することを目的として筆者の個人的見解を記載しており、当事務所のアドバイスを構成するものではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず専門家にご相談ください。

 

長島・大野・常松法律事務所 上海オフィス
住所 / 中国上海市浦东新区世纪大道8号国金中心二期25层
TEL / (021)6881-7060
URL / http://www.noandt.com/locations/shanghai/index.html




ガイドの過去の記事も読む

第一話 なぜ中国で法務が重要なのか
第二話 中国からの撤退手段について最低限知っておくべきこと
第三話【重要法令情報】外国投資法(パブコメ版)の公布
第四話 規制緩和と規制強化
第五話 商業賄賂規制


ガイドの過去の記事も読む
合わせて読みたい