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2015.01.29
  • 川合正倫(日本国弁護士)中国における法務事情 第三話
  • 【重要法令情報】外国投資法(パブコメ版)の公布
  • 商務部は、2015年1月19日に「外国投資法」の草案を公布しました。外国投資法は、外資三法をはじめとする外国資本による中国への投資に関する規定を整備統合した新たな法令です。外商投資企業の根拠法である外資三法(外資企業法、中外合弁企業法、中外合作経営企業法)は外国投資法の施行後に廃止されることになり、各企業は対応が必要となります。

ビジネスガイド 川合 正倫

 商務部は、2015年1月19日に「外国投資法」の草案を公布しました。外国投資法は、外資三法をはじめとする外国資本による中国への投資に関する規定を整備統合した新たな法令です。外商投資企業の根拠法である外資三法(外資企業法、中外合弁企業法、中外合作経営企業法)は外国投資法の施行後に廃止されることになり、各企業は対応が必要となります。

 

 現行法のもとでは、独資や合弁といった投資形態により適用される法令が異なり、また法令間相互に整合性を欠く部分がありましたが、外国投資法の施行後は、外資三法が廃止される結果、外国資本による投資に対しては一律に外国投資法及び会社法が適用されることになります。

 

 今回公布されたパブリックコメント版については、今後内容に若干の変更があるものと思われます。また、施行時期は2017年以降になると考えられており、即座に何らかの対応が必要という状況にはありません。しかしながら、外商投資企業にとって非常に重要な法令の抜本的な改正であり、中国事業関係者は新法案の概要を理解しておくことが望まれます。そこで、本稿では公布された規定案(11章170条)のうち、重要点に絞ってご紹介したいと思います。

 

外国投資に関する規定が一本化された重要法令

 

 現行法は独資(外国資本100%)、中外合弁、中外合作といった投資形態別に適用される法令が異なりますが、外国投資法は投資形態に関わらず一律に適用されるという点で、非常に重要な法令です。

 

外資三法の廃止に伴う対応

 

 外国投資法の施行に伴い現行の外資三法は廃止される予定です。董事会や株主会といった会社の機関設計は外国投資法の範囲外とされています。このため、外商投資企業の機関設計については、一律に会社法に従うことになります。例えば、現行の中外合弁企業においては董事会が最高意思決定機関とされていますが、外資三法廃止後は、中外合弁企業においても会社法に従い株主会が最高意思決定機関となるため、定款や合弁契約を変更する必要があり、合弁パートナーとの交渉等の対応が必要となります。

 

 このように非常に大きな影響が生じるため、新法への移行期間が設定されることになっています。具体的には、外国投資法施行前に設立された外商投資企業については施行(2017年以降の予定)から三年以内に会社法に従い機関設計等を調整する必要があります。

 

ネガティブリスト制の採用・事前審査制から事後報告制へ移行

 

 現行制度の下では、外商投資企業の設立、定款変更、持分譲渡といった重要事項については、関連政府当局の事前認可を取得する必要がありますが、外国投資法のもとでは、ネガティブリストに列挙された特定の禁止・規制業種を除き、新たに制度化される事後報告の対象となり、現行の事前認可制度は廃止されます。

 

 ネガティブリストによる管理は、上海自由貿易試験区でも試験的に導入されている制度です。規制が必要な特定の業種をネガティブリストにリストアップし、当該リストに記載されている業種以外の業種に対しては、原則として自由な投資活動を認める管理制度です。事前審査が必要な場面が大幅に減少されるため、中国における投資活動の機動性及び柔軟性が向上することが期待されます。

 

「外国投資者」の定義に実質基準を導入

 

 外国投資法(パブコメ版)では、「外国投資者」について実質基準を導入しています。具体的には、外国投資者が支配する国内企業は外国投資者として扱われ、他方で中国投資者が支配する外国企業による中国国内への投資が中国投資者による投資として処理されうることになります。

 

「外国投資」の明確化:契約による支配も外国投資に該当

 

 「外国投資」の定義も明確化されました。外国投資には、持分の投資だけではなく、長期(一年以上)の融資のほか、契約を用いた国内企業のコントロール又は権益の取得といった形態も含まれます。契約を通じて他の企業の経営等に決定的な影響を及ぼす形態が外国投資の範囲に含まれることが明確にされたことを受け、既存のVIEスキームによる投資の取扱いについて注目が集まっています。

 

 VIEスキームとは、外国資本の導入が禁止又は制限されている分野(金融や教育等)への投資手段として、実務上使用されている投資スキームです。典型的には、外国の投資家が海外(ケイマン等)に投資のための特別目的会社(SPC)を設立し、当該SPCが中国で100%出資の子会社を設立します。この中国子会社は、当該事業に関して許認可を有する中国の内資会社との間で締結する各種契約を通じて事業をコントロールし、内資会社の利益は最終的にSPCを通じて外国投資家に還元されます。

 

 上記のような、VIEスキームでは各種の契約を通じて、外国投資家が中国の内資会社をコントロールするため、外国投資法のもとでは「外国投資」に該当することになります。他方、外国での資金調達のためにVIEスキームが使われている場合などで中国人が実質的に支配しているとみられる場合は「外国投資」には該当しないとの見解も示されています。この点について外国投資法の施行後にどのように処理を行うかという点については、パブリックコメント版に寄せられた意見等を踏まえさらなる検討が行われることになっています。

 

まとめ

 

以上、外国投資法のパブコメ版のエッセンスをご紹介しました。公表された内容は、日本や欧米等の先進国の外資規制を参考にして作成されたものと思われます。草案と同時に公表された商務部の説明文においても「政府機能の転換」が強調されており、事前規制から事後監督への転換が明確に示されています。外国投資法は中国における外国資本による投資の基礎となる法律であり、実務に大きなインパクトを与えるものですので、中国事業の関係者は引き続き改正の動向に注意する必要があります。

 

*本投稿は読者の皆様の参考に供するために一般的な情報を簡潔に提供することを目的として筆者の個人的見解を記載しており、当事務所のアドバイスを構成するものではありません。一般的情報としての性質上、法令の条文や出典の引用を意図的に省略している場合があります。個別具体的事案に係る問題については、必ず専門家にご相談ください。

 

 

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第一話 なぜ中国で法務が重要なのか
第二話 中国からの撤退手段について最低限知っておくべきこと
第三話【重要法令情報】外国投資法(パブコメ版)の公布
第四話 規制緩和と規制強化
第五話 商業賄賂規制


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