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コラム

中国物流業界を変えるアプリ「貨車幇」を作った男 【中国ニュース 2015年5月6日 】 2015.05.06


成都東北部にある物流中継基地は四川最大の陸上輸送の物流センター(TC)だ。毎日数千台の車両、万を越える運転手がここに出入りしている。5つの展示会場は数百のブースに分かれていて、荷主たちはそこに貨物情報を出し、運転手たちは仕事を探す。乱雑な環境で、嫌な匂いがする。載文建氏はここが好きではなく、人を案内するときだけやってくる。しかしその嫌いな場所で彼はチャンスをつかんだ。


2年前、彼はここにオフィスを借り、荷主と運転手にアプリ「物流QQ」と「貨車幇」を紹介する店舗を構えた。このアプリは荷主と運転手を繋ぐツールだ。彼はインターネットを通して車と貨物を繋ぎ、物流コストと効率を改善しようと考えたのだ。


「中国採購発展報告(2014年)」によると、2013年の中国の物流総額は10万億元に上る。これはGDPの18%にあたり、アメリカの2倍以上である。インターネット+の時代において「貨車幇」のような会社は多いが、この物流業という古い産業を改革するのは容易なことではない。


昔、もうだめだと思った時、載文建氏は一人で通過型物流センターに行き、密集する駐車場に一日中座っていたという。


「ベンチャーキャピタルが私の何を重視しているのか、それは武力値だ」。載文建氏は密かに笑みを浮かべ、通貨型物流センターの店舗を指し示した。「この店を開けたばかりの時、多くの人々が椅子で入り口を封鎖したり、物を壊したりした。私たちが彼らの商売をじゃましていると思ったからだ」


こうした現象は貨車幇の拡大過程における縮図のひとつである。載文建氏の紹介によると、各地に「車黄牛」がいて、荷主のために車を探し、一定の費用を得ている。後に荷主達は載氏らのアプリを利用して金を払わずに車を探すようになり、だんだんと以前のネットワークから離れていった。そのため、貨車幇は新しい街に入る度に車を壊されたり、インターネットを切断されたりすることになる。現地のマフィアとの交渉も必要だった。


「今では私たちのアプリは河南地区にすでに広まり、まもなく西北へと進出して行く。まだまだ戦いがあるだろうね」載文建氏は拳をさすりながら言う。 これまで、物流の分野において載文建氏と貨車幇の名はそれほど有名ではなかった。しかし最近起こった二つの事件により、名が知れることになった。


今年1月4日、李克強総理が深圳で微衆銀行(テンセントの民営銀行)の初めての融資業務を視察した。この時融資を受けたのは貨車幇を利用している運転手徐軍氏で、3.5万元の融資を受けた。これは貨車幇と第三者が共同で運転手に行った融資業務だ。このあと、載文建氏はメディア『中国企業家』で、テンセントはこの提携に大きな役割を果たしたと話している。


もう一つの事件は3月16日、アリババの創始者である馬雲氏が全世界のITと通信産業展覧会(CeBIT)で、ドイツ総理メルケル氏にアリクラウド(阿里雲、リババのクラウドサービス)での創業プロジェクトの一つとして、貨車幇を紹介したことだ。多くの人がこの企業に目を向けるようになったのはそれからだ。


貨車幇を作る前、載氏は雷士照明(照明器具大手)の7人の創業者の一人で、1997年に雷士を創設し、デザインとマーケティングを担当した。雷士照明で載氏は物流コストの上昇に注目した。中継ぎの回数が多く、扱いが悪いために商品の破損率が高くなり、物流費用もコストの30%以上にも達することがあった。


2005年3月。載文建氏は雷士照明を離れ、物流分野に参入した。ちょうど、大学の同級生が雲南で高速道路の建設に携わっており、そこで利用する鋼材、コンクリートの運送業務を引き受けたのだ。これは2008年2月まで行っていた。


友人たちはこの仕事をいいものだとは考えていなかった。ある人は彼に言った。建設中の道路は省と省の境目の辺境地帯で、補給場所からもとても遠い。物資を運んで来ても、帰りの荷台は空っぽだ。


だが載文建氏はチームを率いて山や川を観光しながら、各地の土産物や鉱物を探しだし、補給地点に沿って探し出せる限りの貨物を運んだ。これは高い利潤を生み出した。当時の純利益は予測した500万元を大きく上回る、7、8000万元にもなったという。


しかし面倒もあった。載文建氏の考えでは、運送業務は運送屋にお金を払って頼めば2年もすれば簡単に終わると思っていた。実際は中国の大部分の運輸力は個人の業者に分散しており、オフシーズンには運転手は喜んで引き受けてくれるが、ハイシーズンになると値を上げても運んでくれない。載氏は彼らには契約精神が薄弱だと感じた。


「高速道路を施行している時には一晩で数千トンのコンクリートが必要となる。用意できなければ、工期が遅れてしまう。しかし今の運送状況で決まり通りに運べば、代価が高くなってしまって、へたすると欠損を出してしまう。このバランスをとるためには、自分でトラックを買うしかない」。そこで載氏は運送が追いつかない時には、自分でトラックを用意するようになった。


2年以上にわたり、60台以上のトラックを購入した。しかしすぐに気がついた。トラックがなければどうしようもないが、トラックがあっても苦しいということに。


「夜11時に電話が鳴ると、冷や汗が流れる。数百人の作業チームがいるのに、私に電話してくるということは、ひどい事故が起こったということだからだ」。載文建氏は回想する。ある時、車が谷に数十メートルも落ちてしまった。その惨状は堪え難いものだった。時にはプレッシャーに絶えることができないと思った」


ある時、高速道路工事が3か月休止した。数十台のトラックには仕事がなく、臨時の物資を運ぶだけとなった。だがトラックは走り出すと放牧の羊のようにコントロールできなくなってしまう。決まった場所から決まった場所までならば管理できるが、偶発的な仕事では半月も帰ってこない運転手もいた。ある運転手は車が壊れたといい、私用で使う人もいた。


そこで載文建氏はGPSシステムを購入してトラックにつけた。こうすれば少なくともどこにトラックがいるのかがわかる。GPSを使えば便利になったが、それでも解決しきれたわけではない。それにこれが100台、200台になったら管理しきれるのだろうか?


さらに考えさせられることもあった。あるトラックが江西省の南寧から四川の楽山まで荷物を運んだ。運転手は楽山で2日間次の荷物を探したが、見つからない。そこで空のまま200キロ以上離れた成都に行って、そこで2日間費やしたがやっぱり見つからない。そこで彼はさらに170キロ以上離れた楽山市夾江県に向い、そこでのようやく仕事を見つけた。載文建氏が燃料代、高速代、橋の通行費、保険代、駐車費、運転手の生活費を計算してみると、トラックが空の間の損失は2500元以上で、今回の全利益は7000元ほどだった。


これは載文建氏に物流の大きな問題を認識させた。2007年4月、載文建氏はヨーロッパでの視察から帰ってから、将来の物流は必ず運輸力を統合させることから始めねばならない、公共の運輸力が統合されていないから、中国の運輸コストは非常に高いのだと気付いた。彼はこれを統合する人になりたいと思った。


トラックにGPSを載せた後、載文建氏は個人事業者のトラックにもGPSをつけたら、もっと多くの運輸力が得られると思った。


2008年6月、彼らは2000万元以上を費やして2万台のGPS装置をトラックの運転手に贈り、GPSの監視技術で分散している運輸力を統合し、ひとつの運輸リソースを共有するプラットホームを作って荷主に繋げようとした。 しかし、GPSは一方通行のものであり、企業の管理者として自社車両を管理することはできても、GPSを送った2万台に対して指図することはできない。それに運転手も運輸力を共有したいとは願ってなかった。


2009年、載文建氏は損失を減らすためにハードとソフト技術をすべて売却し、中心メンバーを残してチームを解散した。


彼はもうこの業務は止めようと思っていたのだが、この年の年末に中国聯通が3Gを発表したことから、希望が蘇った。彼はもう一戦することにした。2010年、大本営を広西省から成都に移し、運営センターを北京に、コールセンターを貴州に、ハードウェアチームを深圳に移動させた。


1回目はGPSを用いて徹底的に技術を統合したことが間違っていた。コストが大きいが、交流がうまくできない。しかしインターネットという方向は正しい。ただ、運転手の需要、貨物を無視したということが盲点だったということに気がついた。


「私たちのやっていることは1本の樹に例えられる。荷主は根、運送者は幹、根が深いことで枝葉はよく茂ることができる。貨車幇を知っている人は多いが、物流QQを知る人は少ない。でも実際は物流QQが下から養分を吸い上げなければ、この樹は成長できないのだ」と載文建氏は説明する。


中国の物流環境を観察すると、南北の物流情報化の差が非常に大きいことがわかる。北部にはローカルの貨物統合プラットホームが多いが、南方は空白だ。そこで載氏はまず南方市場を育てることにした。


当時、南方の物流業界の人でパソコンを使っている人は少なく、北方が開発したソフトをインストールすることができなかった。そこで載文建氏たちは長江以南13の省に13のスーパーQQグループを作り、会員を増やしていった。これにより荷主が貨物情報をグループ内に送り、お互いに車両を推薦しあい、携帯QQからすぐに通信することができるようになった。


1年を経て、6000名以上の荷主を集めることができた。2011年9月、載文建氏は難しい決定をする。広西省のQQグループを解散し、荷主に物流QQソフトを使うように強いたが、これは大きな反発を招いた。


この冒険的な方法からは彼の商人としての機敏が透けてみえる。彼は人のプラットホームを頼ることは砂の城のようなものであり、資源を自分のプラットホームに引き込んでこそ、本当に突き抜けることができると考えた。嬉しいことに、広西省のQQグループが解散して1週間後、半分以上の人が物流QQに登録してくれた。


彼は次々に新たなエリアで同じことをしていった。こうして約半年で13のQQグループの移転が終わった。それから彼は運転手の端末を統合し始めた。2013年にアプリ「貨車幇」を発表すると、物流QQと繋ぐことで車と荷物の情報の統合が実現した。


プラットホームを提供する側として、彼は荷主と運転手のお互いが動くことが必要だと考えている。その時に一番重要なのが誠意と信頼だ。


ある日、ある運転手が四川省の自貢に貨物があるのを見つけたが、行ってみても仕事がないかもしれないと不安になった。載文建氏は運転手に問題があったら自分が弁償すると請け負った。載文建氏が昨年1年間に運転手に143万元の弁償をしており、約束を反古にした荷主から136万元奪い返している。荷主の不安を払拭するためには、トラックの運転手を実名認証としており、1年に120元の認証費を払ってもらっている。


貨車幇のデータを見ると、2014年9月末までに物流QQには長江以南の13省と西北の7省の16.7万人、貨車幇に登録している運転手は65万人以上で、毎日発布される中、長距離の貨物情報は40万以上にもなる。


陝西省の運転手劉成平氏は1か月前に貨車幇に参加したが、これにより多くの労力を省くことができるようになった。「夜8時、9時に荷物を降ろして、明日の荷物を探す。昔は物流園が開くまでホテルに1泊して、次の日に物流園に行って探さなければならなかった」


運転手に比べて、荷主の方は心配が多い。広東省の東莞の匯海物流の責任者許開平氏は物流QQを利用しているが、物流QQで車を探すのは便利だが、それでもこのソフトを使うのは30%ほどで、残りの70%は広東の大型物流園で解決しているという。


「やはり信頼度の問題です。貨車幇の運転手はみんな認証を持っているけれども、本物であるとは限りません。実際に他の車の運営証明書を借りている車もあります。同業者がネットでトラックを探した時にこういうことがありました。すべてを物流ネットワークに委託するのは現実的ではありません」。許開平氏はトラックを紹介する決まった会社があってその方が安心だと話してくれた。


匿名の物流専門家は「このようなトラックと荷物を繋げるモデルはまだ観察期間にあるといえるでしょう。成功するかどうかは創始者に掛かっています。物流に対する理解と状況が見えているか、それからユーザーとプラットホームが主に4つの方面で強い関係を築けるかがポイントです。その4つとはユーザー数、有効ユーザー数、毎日の取引数と頻度です」と語っている。


今、載文建氏は貨物の方に力を費やしている。配送する貨物があってこそ、多くの運転手を惹き付けることができるからだ。


載文建氏らはこれから北に向かって進出するつもりだ。無料のモデルで少しずつ地方の貨物ネットワークを浸食し、リソースを物流QQに統合する。しかし地方の既得権益に触れ、横暴に領域を浸食するというやり方では争いを免れることができない。


取材した日、貨車幇チームは安徽省阜陽でローカルネットワークと戦っていた。そのローカルネットワークには1000以上の荷主が在籍し、どの荷主も毎年1、2000元のサービス費を払っており、このモデルは10年以上続いている。貨車幇が入っていて以来、その商売を奪っていた。


「昨年西北に進出した時には、300人以上のチームで乗り込んで、1か月で西北7省のローカルネットワークを突き崩した。私たちの車は何台も壊されてしまった。私は自らGMのハマーに乗って指揮した。武力値がないとだめだね。」と載文建氏はいう。


貨車幇の勢力拡大は戦いの色に満ちている。チームは毎日彼に問う。「次の戦いはどこだ?」彼は時にはそういう現場で指揮し、立ち向かうことを楽しんでいるのだと言う。


今、貨車幇は拡大のために充分に準備し、事前に警察に届けるようになった。資本が入ってからは、戦い方は変化した。載文建氏は合併などの方法で統合を進めようとしている。


プラットホームを作るのには金が掛かる。ここ数年、載文建氏のやり方は戦いによって戦いを養うという好戦的なやり方だった。あらゆる人から金を巻き上げるために、時に応じて様々な製品をプッシュしている。例えば2012年にはカーナビを7、8000万元も売っている。


彼らは物流園区に大型レストランを作っていたが、これはレストランで儲けるためではなく、荷主と運転手に接触してアプリを広めるためのものだ。彼らには物流園からは出て行くように「お願い」してまわった。


現在、運転手の認証費用は貨車幇の重要な収入源打。1人毎年120元で65万人の運転手のが登録しているとして、1年の収入は7800万元にもなる。


載文建氏は荷主と運転手の数が充分に増えたら、金融、保険、中古車などの実入りのいいビジネスに拡大できると計画している。最近進めているのは保険で、すでに安邦保険と接触している。もし100万の運転手が保険費を払うと数百億になる可能性がある。


さらに貨車幇はアリクラウドと技術方面での協力を進めている。昨年「西北との戦い」で敵が貨車幇のサーバーを攻撃したとき、アリクラウドの技術支援を受けて、事無きを得た。貨車幇も菜鳥(アリババらによる物流ネットワーク)とも提携するほか、テンセントとの提携も進めている。


載文建氏はチームに従いたくないし、他チームを除外するような提携もしたくない。


この傲慢な青年がやりたいのは公共のプラットホームを作り、その領域でトップになることだ。「物流業界には今まで、ここまで大きな会社はなかった。私がまず、そこに君臨するのだ」


http://money.163.com/15/0423/08/ANSG7D9K00253G87.html

 

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