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コラム

アリババCEO馬雲氏の「本当の姿」を探る 【中国ニュース 2015年5月29日 】 2015.05.29

1980年代以降、コンピューター科学とインターネットを代表とする第三次科学技術革命が起こり、それにつれて中国内外で多くの創業者たちの成功例が登場した。創業者の伝記、経歴と創造的な考え方を知ることは、中国で今盛んな創業において、どんな意義があるのであろうか。私たちは何をそこから学べるのだろうか。


ビジネス関連書の多くは成功、自己啓発に関するもので、市場には多くの成功学の書籍が溢れている。馬雲氏はというと、彼にはシンボル的な意味が大きく、また彼はゼロから起業したために多くの人がそこに希望を見出す。人々は相争って馬雲氏の本を読み、その中から何らかの秘訣を探し出して自らも成功したいと考えている。


馬雲氏はあまりに多くの自分に関する本があるために、どの本に書かれているのが本当の自分だかよく分からなくなったと笑いながら話す。では本当の馬雲氏とはどのような人物なのであろうか。彼はどのようにアリババを作り上げていったのか。


最近出版された『馬雲内部講話:相信明天(馬雲氏の内部談話:明日を信じる)』は、馬雲氏が書名を決め、アリババグループが認めたものであり、真実を語ったものだ。馬雲氏は自分と、自分たちのチームが他の人に比べて賢かったわけではなく、他の人たちよりも努力していたわけではないとずっと言っている。ではなぜ彼らは成功できたのか。馬雲氏はそれを運だと解釈している。もし他の言い方をするとすれば、運命の巡り合わせ、だろうか。


もちろん私たちは馬雲氏とそのチームの努力を否定するものではない。彼と同じ時代に創業した人々は、ある人は途中で諦め、ある人は方向を転じた。馬雲氏は何をすべきか、何をしてはならないかを堅持してきた。馬雲氏が自ら話すように、彼はこの時代に感謝し、国に感謝し、インターネットに感謝している。大局を決定することは人の能力を超えたものであり、個人でコントロールすることはできないのだ。


なぜ、中国でITビジネスが主力となり、欧米ではそうならなかったのか。なぜ中国にだけ、ITが大きく発展できる前途があったのか。


馬雲氏は、中国ではベースが悪く、関連サービスも整っておらず、企業のIT応用レベルは低く、中間コストが高すぎたからだと分析している。例えばこのような報道があった。農民が作った白菜は500gあたり0.01元でも売れず、農地で腐らせてしまうが、北京、上海、広東で売買される白菜は500gあたり1元である。ITはこれまでのこのような伝統的なビジネスでの流通ルートと比べ、コストの面で優勢である。


馬雲氏は創業する時に、大企業ではなく中小企業にターゲットを絞った。なぜならば中小企業は未来の発展方向を示しているからだ。大企業は多くは国有企業で優れたリソースを持っているが、中小企業はこれから生き伸び、発展するために、ITの手助けを必要としている。馬雲氏はアリババでB2Bを行っているときに、インターネットを活かして注文を受けているのは、多くは中小企業だと気付いた。これが馬雲氏の判断を証明することになった。


馬雲氏は世界中で誰もが飽きないゲームとは、お金を稼ぐことだと話す。アリババは創業時期に、ECを行うと決め、中国製品の輸出をするだけではなく、外国の顧客にも安くて値段に見合った商品を購入するための手助けをすることにした。では、馬雲氏はなぜインターネットという道を選んだのだろうか?


今日のようにインターネットが発展すると予見していたという話は、でたらめだと馬雲氏は本の中で認めている。だが彼はインターネットに将来性があるとは認めていた。自らの経歴から「インターネットというのはすごいもので、これからきっと大きく発展するだろう」と意識していたのだ。


馬雲氏は若い頃、英語を学び、外国人の友人を作っていた。21歳の時に、彼は初めて外国に行くチャンスを得て、オーストラリアで31日を過し、初めて世界の真実の姿を理解したのだという。のちに彼にはアメリカに行くチャンスも訪れた。この時に始めてインターネットと出逢ったのだ。そして、中国においてはインターネットという分野は依然として空白であり、大きなビジネスチャンスがあると感じた。


思いつけば、行動することができる。


馬雲氏は杭州に戻ってから、2万元を借りて中国黄頁(イエローページ)を創業した。中国黄頁はどんなにすごいものかというと、ごくごく普通のものだ。今から見ればこのモデルは非常に原始的なもので、企業のサイトを作りお金をもらうというだけのシンプルなものだった。ただこのビジネスから馬雲氏はインターネットの未来に対して大きな確信を感じ、インターネットの力を感じた。 こんな例がある。馬雲氏はある時、杭州の望湖賓館の情報をインターネットにアップした。その後、1995年に国連の第四回世界女性大会が北京で開催されたが、アメリカの女性代表の多くがインターネットでこのホテルを見て、北京で開催された大会にも関わらず、杭州に宿泊したのだ。このことは馬雲氏に大きなヒントを与えた。


また自分の会社である海博翻訳社をインターネット上にアップしたが、こちらにも国外から多くの商談をEメールで受けた。こうした実践により、馬雲氏はインターネットへの確信を強めて行った。


では馬雲氏をB2Bのネットビジネスに駆り立てたものは何か。


振り返ってみると、全く単純なことだ。馬雲氏は卒業後、杭州電子工業学院(現在の杭州電子科技大学)の国際貿易学科の職を与えられたが、そこには国際貿易を希望する学生がたくさんいた。馬雲氏は既にインターネットの作用と力を知っていたため、インターネットは国際貿易でも役に立つと分かっていた。だから馬雲氏はB2Bのインターネットビジネスを立ち上げたのだ。


では馬雲氏はB2Bのビジネスモデルを作り上げたのか?実はちがう。


2003年になるまでアリババは採算が取れなかった。だが馬雲氏は自分がやっているビジネスが売る方にも買う方にも有用であれば、それには価値があると思っていた。「お客さんが富めば、自分も貧乏から脱出できる」。アリババの利益構造は実際の経営の中で少しずつ模索されていった。 アリババの発展史を見てみると、馬雲氏も始めから未来が見通せたわけではないということが分かる。実践を経て、だんだんと未来が見えるようになっていったのだ。


それに中国の趨勢の把握も比較的正しかった。馬雲氏は2008年にこう予言している。インターネットは中国であと10年はすばらしい発展の時期を迎える。今、我々が得意になって語っている「インターネット+」は、馬雲氏がすでに語っていたことだ。馬雲氏は中国の内需がだんだんと拡大していくのを見て、タオバオ(ECサイト)に力を入れた。後のタオバオの急激な発展は馬雲氏の判断によるところが大きい。


※「インターネット+」は2015年の全国人民代表大会で李克強総理が発表した行動計画。IT分野と製造業を融合させ、IT関連事業の健全な成長を促進し、国際市場への参入を支援するというもの。


アリババが現在提供しているのは単純なB2BやC2Cではなく、文化、健康、金融などの多くの産業にわたるものだ。では現在のアリババの発展を牽引しているのはなんなのだろうか?


馬雲氏は使命感であるという。人々に便利さをもたらし、みんなが便利と福祉を手にすることを助けるのが、アリババの努力の方向だ。馬雲氏にはこんな名言がある。「クレームがあるところに、チャンスがある」この言葉がそのイメージを説明しているのではないだろうか。


アジアの大経営者、松下幸之助氏、稲盛和夫氏などを見ると、そのビジネス哲学は通じるところがある。松下幸之助氏は素直な心を提唱し、水道哲学を継承し、大衆のために安い商品を作って利益をもたらした。稲盛和夫氏は企業家に「動機善なりや、私心なかりしか」と自らに問いかけることを伝えている。これらの言葉と馬雲氏の「クレームのあるところにはチャンスがある」という言葉は同根なのではないだろうか。


やはり至高のビジネス哲学とは、最後には奇をてらわないところに辿り着くのかもしれない。「人にバラを贈れば、その手には香りが残る」ものなのだ。


http://news.ifeng.com/a/20150514/43752917_0.shtml

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